元バレー日本代表・益子直美氏が語る「怒らない指導」への転換とスポーツ界の暴力問題

2026-07-13
元バレー日本代表・益子直美氏が語る「怒らない指導」への転換とスポーツ界の暴力問題

バレーボール女子日本代表のエースであり、現在は日本スポーツ協会副会長を務める益子直美氏が、自身の経験に基づきスポーツ指導における暴力や暴言の弊害を指摘した。

指導現場における感情的な暴力の歴史

昭和から平成にかけて、日本のスポーツ界では理不尽な暴力や暴言が蔓延する環境がありました。元日本代表としてアイドル的人気を博した益子直美氏は、選手としてのキャリアの中でこうした負の側面を間近に見てきました。当時の指導現場では、威圧的な態度や感情的な叱責が常態化しており、選手は常に恐怖心と隣り合わせの状態でプレーを強いられていました。

益子氏は、こうした過酷な環境が選手の精神面に及ぼす影響を重く受け止めています。指導者が感情を爆発させる「怒る指導」は、一時的な規律維持には繋がるものの、長期的には選手の自律性を損なうリスクがあることを自身の歩みを通じて説いています。

怒らない指導」の普及に向けた取り組み

益子氏は、自身の経験を糧に、現在10年以上にわたり「怒らない指導」の普及活動に尽力しています。指導者が感情をコントロールし、選手との信頼関係を構築することの重要性を提唱し続けています。現在は以下の要職を歴任し、指導法の改善に向けた組織的な動きを推進しています。

同氏は、指導者が怒りに任せて選手を追い詰めることは、スポーツの本質的な価値を損なう行為であると考えています。適切なコミュニケーションを通じた指導への転換が、次世代の選手育成には不可欠であると強調しています。

指導者の役割と精神的ケアの重要性

スポーツにおける指導は、技術の向上だけでなく、選手の精神的な成長を支える役割を担っています。益子氏は、過去のスポーツ界で見られた「恐怖による統制」が、いかに選手の可能性を狭めてきたかを具体的に示唆しています。指導者が自身の感情を律し、建設的な対話を行うことは、選手が安心して挑戦できる環境を作るための基盤となります。

現在、スポーツ界全体でハラスメント防止や指導者のメンタルマネジメントが課題となっています。益子氏による活動は、単なる手法の提案に留まらず、日本のスポーツ文化そのものを、より健全で持続可能なものへとアップデートするための重要な試みといえます。

もっと読む
おすすめ
おすすめ