東かがわ国際芸術祭、作家が作品返還請求を! 市は「活動実態なし」との見解 - 瀬戸内国際芸術祭との関連も

2025-08-20
東かがわ国際芸術祭、作家が作品返還請求を! 市は「活動実態なし」との見解 - 瀬戸内国際芸術祭との関連も
朝日新聞

瀬戸内国際芸術祭(瀬戸芸)の熱気を背景に、香川県東かがわ市で開催された「HIKE - 丘の上の芸術祭」を巡り、波紋が広がっています。作家が主催者に対し、作品の返還を求めているという問題が浮上。東かがわ市は、「活動実態がない」という立場を示しており、その背景には何があるのでしょうか。

問題となっているのは、2023年9月23日から11月26日まで東かがわ市内で開催された「HIKE - 丘の上の芸術祭」。この芸術祭は、瀬戸内国際芸術祭と連携し、地域を舞台にした現代アートの展示を目的としていました。しかし、一部の作家から「作品が返還されない」という訴えが上がっています。

作家側は、芸術祭終了後も作品の返還が滞っている状況を不当と主張。主催者との交渉を重ねていますが、解決には至っていません。作品の中には、貴重な素材や独自の手法を用いたものが含まれており、作家たちは精神的・経済的な損失を懸念しています。

一方、東かがわ市は「当該芸術祭の活動実態を確認できていない」と説明。芸術祭の開催を許可したものの、その活動内容については把握していなかったと見られています。市は、作家からの相談を受け、主催者との話し合いを促していますが、具体的な解決策はまだ見えていません。

この問題は、瀬戸内国際芸術祭という大規模なイベントの開催を背景に、地方自治体と芸術祭主催者の連携不足、そして作家の権利保護という複数の課題を浮き彫りにしています。芸術祭は、地域活性化や文化振興に貢献する可能性を秘めている一方で、その運営には慎重な検討と適切な管理体制が不可欠です。

今後の焦点は、主催者が作家の作品を速やかに返還し、二度とこのような事態が起こらないよう、再発防止策を講じるかどうかです。また、地方自治体は、芸術祭の開催を支援するだけでなく、その活動内容を適切に把握し、必要な監督を行う体制を整備する必要があります。

芸術は、社会を豊かにする重要な要素です。しかし、その創造活動を支えるアーティストの権利を守ることは、芸術の持続可能性を確保する上で欠かせません。今回の問題を契機に、芸術祭の運営に関する議論が活発化し、より健全な芸術文化の発展につながることを期待します。

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